渋谷での経験から思うこと

先日、中川政七商店・渋谷店様での体験受注会に行ってきました。

*渋谷スクランブル交差点を一本歯下駄で通勤する川村コーチ

開催初日となる週末は、友人・知人を含め、本当に沢山の方にお越し頂き、自分達が生み出した新しい履き物の反応をリアルに見る事が出来て、本当に楽しかったです。

体験受注会は7月11日まで続きますので、お気軽に覗いてみてください。


ここで、ちょっと私(小林)の過去の話をしますと、

高校生の時に、大手のスポーツショップでアルバイトをしていた経験があります。

中学1年生から始めたスノーボードにどっぷりハマり、

他の社員さんやアルバイトさんの中で、一番スノーボードに詳しい僕は、

スノーボードの売り場担当をさせて頂いておりました。

僕の愛するバートンや信頼のおけるメーカーのボードやブーツをお勧めして販売していたわけですが、

ある時、その大手スポーツショップオリジナルのステップインのスノーボードが発売されました。

店長は当然のように、そのスノーボードを沢山売ってくれと言い、バートンや他のメーカーよりもそのオリジナルのスノーボードの方が優れていると説明してくれと言われました。

しかし、エッジグリップや乗り心地など、全てにおいて僕はオススメはしたくありませんでした。

店長は沢山売れたら時給アップだよと提案し、なんとか僕にそれを沢山売って欲しいと迫りました。

でも、僕は、本当に心の底から良いと思える商品をオススメして販売したい。

その気持ちに嘘はつけず、次の週にはアルバイトを辞めていました。

この話から何が言いたいかというと、その頃からすでに、商売人としての僕は、

何かを買ってもらい成績を上げることの嬉しさよりも、本当に大好きなプロダクトを紹介し、
その人の今後の人生がワクワク豊かで充実したものになるようお手伝いすることの方が
楽しく感じてしまう人間だったんだと。

今回、渋谷で多くの方に僕たちの一本歯下駄とリッポを履いてもらい、

身体感覚や意識、足の状態などに良いレスポンスが出るのを確認し、

改めて川村コーチとも「良いものを生み出した」という自信を深めました。

今は、もっともらしい理論で売られている靴や履物、ヘルスケアプロダクトなど

色々とあるなかで、疑問の多いプロダクトが沢山あるのも事実です。

それをクラウドファンディングや広告などのマーケティング手法を使って

うまく沢山販売されているのを見ると、昔のアルバイトの事を思い出します。

自信を持ってお勧めできると、販売している人たちは心から言えるのでしょうか。

来月アメリカに引っ越し予定で、一本歯下駄をご購入頂いた若いご夫婦。

一本歯下駄で、しなやかさを身につけ、パワーで迫ってくるアメリカ人(完全に偏見です笑)にパワーではなく柔軟性を持って、うまく仕事や生活をして頂きたいと、そんな思いで販売をさせて頂きました。

川村コーチと何度も議論して、諸橋さんのしっかりした技術とこだわった材料で生み出した

僕たちのプロダクトが、どこに出しても恥ずかしくない真理な製品である確信を得た良い機会になりました。

あとは流れに任せて走るだけ、というところでしょうか。

以上、T-FOOT小林でした。